田舎で働く社長のブログ---都会に移転しました---

会社を2015年に作りました。会社や個人をPRするというよりはアウトプットの場にしたいです。

「今の自分」からはじめよう-田中 裕輔- が今年一番のオススメ本でした。HARDTHINGSより絶対面白い。

 非常に面白い本でした。

「今の自分」からはじめよう

「今の自分」からはじめよう

 

 

田中 裕輔さんの前著"なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?"は、正直なところ全然面白くなく、僕含め多くの人が抱く「コンサルウゼェ・・・」という感情の集大成の様な本でした。

なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?

なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?

 

今回の"「今の自分」からはじめよう"はそういう部分がほとんど感じられませんでした。

田中さんの苦悩という部分もありますが、ロコンドの成長ストーリー、ひとつの物語として非常に面白かったです。

僕は普段、こういった"成功者の語り"は絶対に話半分で聞こうと決めています。『俺はこんなに成功したんだグハハハー』と言っている偉そうな人も、絶対にそれに対して対立していた人の意見もあるし、それもまた正しいと考えているからです。

 

スタートアップ界隈では大絶賛されていた朝倉祐介さんの講演も、一部の内部の方からは壮絶に否定されていたりしたわけで。

just4youcom.hatenablog.com

歴史は勝者によって作られるというのは現代においても言えることのようです。

 

なので、田中裕輔さんが本の中でどれだけ自分を評価していようとも、話半分に捉えるようにすると決めていたのですが読み進めていくうちにそういう気持ちはなくなりました。

 

 話の内容は一部ベン・ホロヴィッツのHARDTHINGSに似ていました。でも、田中さんの本の方が読みやすかったです。また、基本的には他人の悪口等は書いていないのもすごく好感が持てました(某信用調査会社のことはボロクソ言ってましたが)。

 

 

ロコンドという会社の沿革をおおまかに説明すると、元々はRocket Internetというドイツのファンドが資金を出し、そこの役員1人とマッキンゼー出身の日本人1人、ボスコン出身の日本人1人の3人が代表となってスタートした会社です。当初、田中さんはインターンという形でお手伝いをしていたそうです。

その後赤字が続き、Rocket Internetは会社を畳むように指示します。Rocket Internetから来ていた役員はすぐに退任しましたがRocket Internetは田中さんが経営に加わるのであれば5億円を追加で支援すると言ってくれたそうです。

 

その際のことをこのように綴っています。

どう考えても普通は辞退するだろう。もちろん、上海に呼ばれた時点で僕を正式に巻き込むつもりだろうな・・・とは考えていた。しかしどう考えても勝ち目がなかった。

このオファーを辞退しても、誰も僕を攻めたりしないと思った。そもそも、そこまでどん底の状態になっているのは、僕が原因ではないのだから。僕はここに至るまで、何ら経営判断は下していないし、会社資金にはいっさい手を付けていない。

だが、ロコンドが倒産すれば、社員は全員、直ちに職を失うのは間違いない。震災で混乱する中での再就職先探しは、きっと大変だろう。そんな中、僕だけマッキンゼーに戻って、何事もなかったかのように過ごして良いのだろうか。

いや、正直に書こう。「みんなの雇用を守りたい」という責任感はそれほど、おおきくなかった。僕はそこまで善人ではない。

それよりも「自分だけこのまま逃げても良いのだろうか」という罪悪感、そして「ここで逃げたら逃げ癖が付く。逃げてたまるかよ」という負けん気の方が大きかった。

結果、田中さんが代表に加わることになりました。

 

その後は代表の方が1人辞め、もう1人の方もあるトラブルの後に辞めていく形になります。このあたりのことはきっと田中さん側ではない方の言い分もあるのだと思います。

 

ただ、田中さんが経営参画する前のロコンド(当時の社名はジェイド)は中々悲惨でRocket Internetが言うことをただただ聞いていただけとのこと。

引用させて頂くと

例えば、ロケット・インターネットはロコンドに10億円も投入していた。2月のスタート時までに10万足の靴を買いそろえるように命じたのである。

更に、春物がスタートする時期までに40万足をそろえておけ、という指示もあった。

しかし、経営陣は経営コンサルタントや金融マンとしては優秀であっても、靴業界に詳しいものは一人もいなかった、また、たとえ靴業界の経験を有していなくとも「在庫をそろえるのではなく、お客様が求める靴をそろえるべきではないか」という、当たり前のことをロケット・インターネットに具申する人間もいなかった。

そこで何が起きたか。

消費者が欲しいと思うような靴を選んで買うという前提がすっぽりと抜け、「とにかく10万点揃えよう」という目標を掲げてしまったのだ。

この結果、ロコンドは問屋の売れ残りの在庫を定価で大量に引き受け、売れない10万足を揃えてしまったそうです。

 

こういう話を聞くとコンサル嫌いの僕のような性格の悪い人間からすると「だからコンサルはwwwwwwwうほwww」と思ってしまいます。

 

ただ、自分も一応会社を経営する身として、『当時のロコンドのようになっていないか?』といろいろ振り返ってみると意外と『あ、あの目標意味ないかも・・・』と思ったりしました。

 

サラリーマンの人でも同じだと思います。楽天で働いていた際にあったことなのですが楽天という会社は何でも因数分解で考えます。広告目標が100万円だとした場合、どうすれば100万円獲得できるのかを因数分解します。

1つの広告枠が5万円だとすると20枠売れば良い。50件電話したら平均1件獲得できている。なので1000件電話すれば20枠=100万円達成するはずだ!!と考え、20営業日だとすると1日に50件電話すれば良い!!!となるので1日のコール件数が目標化されます。

それは一応正しいのですが、その目標を達成させるために明らかに意味のない電話をする人も増え、『意味ないなー・・・』と思ったものでした。

 

そんな紆余曲折があり、黒字化します。田中さん曰くJ字回復とのこと。

 

ロコンドが面白いものを掲載しています。

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ロコンドの軌跡 | 株式会社ロコンド – LOCONDO,Inc.

 変な猫がニャーニャーやってるので深刻さが感じられませんが簡単に言うと創業5年前でやっと黒字化した会社だと言うこと。5回くらい破産危機があったそうなので中々すごいですよね・・・。

 

この本を読んで、僕の考えとフィットするなーと感じたのは"現場主義"であったことです。特にECという事業に限っていうと現場感がないと絶対に経営はうまくいかないと思っています。

田中さんもコンサル時代はそういうタイプではなかったと書かれていましたが、実際に経営していくうちに如何に現場感が大切かわかってきたとのことでした。

 

 

僕の考えに近い(レベルはまだまだ足元にも及びませんが)、ということもあるので社員みんなに配りました。

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上場時から株価は下がってしまっていますが、すごく好きな会社なので応援してます。

 

 

 

ではでは。